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ウクライナ・オフショア開発の失敗例、反面教師、やってはいけないこと 柴田裕史




こんにちは!ウクライナで唯一の日本人ITコンサルタントの柴田です。今回はウクライナに進出する企業が避けるべきこと、やってはいけないことを失敗例を基に語りたいと思います。


去年から今年にかけてウクライナへ進出、視察に来る日本企業が後を絶ちたたずまさにゴールドラッシュと言っても過言でないウクライナの現状ですが、数々の失敗例も目撃してきました。失敗している企業に必ず共通しているのは、「現地の専門家の意見を聞かず自分たちだけで独自にやろうとしている」ということです。


ウクライナでのビジネスは試行錯誤の連続です。EU諸国や北米、アジアと違う法令、習慣、決まりなどが無数にあります。本ブログではかなり有用な情報を無料にて提供させていますが、お気づきの方も多いでしょうが、当ブログではコアの部分の情報は企業秘密などもあるためあまり触れていません。よって本ブログの情報だけで分かったつもりになり、自分たちだけで勝手にオフショア開発、人材採用などを現地に来て行うと必ず失敗するのです。筆者も数えきれないほどの失敗を繰り返し、試行錯誤の上に現在の成功があると思っています。


失敗例A: 某人材会社A社

数年前よりウクライナの大学多数を訪問し、日本語学科やIT学科と提携して新卒をうまく言いくるめ日本へ送り出す事業をしているようです。しかし日本語の壁や不安からか内定辞退が相次ぎ、せっかく採用までこぎつけた少数の人材も日本語がなかなか上達せず、社会人として基本的なマナーも身についてないまま客先へ送られクレームの嵐。結局ウクライナの方が良かったとなり多額の投資をしたにもかかわらず逃げられる。もちろん投資は回収できず大赤字。


上記の企業はしかも筆者の悪口をあることないこと言いふらす誠にけしからん会社なので自業自得と言っても良いかと思いますが全く周囲にウクライナ進出のことを漏らさず秘密裡にしているまでは良いのですがその代わりウクライナ人、ウクライナのカルチャー、ビジネスについての知識が皆無、しかも秘密主義を徹底しているため専門家にも相談できずまさに神風特攻隊のように闇雲に突っ込んで自滅しています。


失敗例B: 某日系IT企業B社

この会社は現地の中小IT企業を買収しアウトソースに使っているまではいいのですが、日本人の現地マネージャーがおらず現地人に牛耳られ挙句の果てには乗っ取り寸前まで行きました。なんと親会社を飛び越え、日本のエンド・クライアントと直でやり取りしていたそうで、現地ウクライナ人のマネージャーは解雇されました。東南アジアではかなりよくある話ですがウクライナ人が皆聖人のごとく振舞うかというと決してそんなことはありません。これを防ぐためには現地に筆者のような日本人マネージャーを最低一人置き、毎日プロジェクトの進捗管理や人事管理などを細かく報告させることが必須です。


ベトナムなどのオフショア経験があると言ってウクライナで成功するとは限らない

現在ウクライナへ進出しようとしている企業の大体8割がベトナムなどの安かろう悪かろうのオフショア先で大失敗し、ウクライナならということでこちらへ来ています。これらの企業の傾向としてベトナムとウクライナをやや同一視する傾向があり、ベトナムでの経験があるのでウクライナでもそのノウハウを生かすと意気込んでいる企業が多いです。しかしウクライナとベトナムは月とスッポンほど違います。全く別の商慣習、カルチャー、言語習慣の為、ベトナムでの経験はウクライナでは全く役に立たないと言っても過言ではないと思います。やはり現地の専門家のアドバイスを受けることが必須です。


結論:

1)ウクライナ・オフショア開発は無限の可能性を秘めているが必ず専門家にご相談ください。自分たちだけでやろうとすると必ず失敗します。

2)必ず日本人の現地マネージャーを置きましょう。リモート管理は限界があります。

3)進捗確認は毎日してください。


以上、日本IT企業が殺到するウクライナのキエフからのレポートでした!!


Ago-ra IT Consultingへのご連絡は下記まで: hiroshi.shibata@ago-ra.com

Ago-ra IT Consultingのホームページ

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